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去年ルノアールで 完全版


『去年ルノアールで 完全版(マガジンハウス文庫)』
(せきしろ/マガジンハウス)

以前、imaさんに単行本を借りて読んでいたんですが、去年末に発売されたこの文庫版には、16本のエピソードが加えられていて、それを読んでみたいと、手にとりました。

本書はあの「喫茶室ルノアール」に日々通う「私」が人間観察を通して、ルノアールで展開される出来事や、妄想!? が綴られたエッセイ。

「元プロ野球選手の落合とかが着そうなザックリセーター」など、ここで語られているような「ルノカジ(ルノアール・カジュアル)」や、「ルノアール特有の香り(煙草の香り&空調&安い革&古い化粧品&そしてなぜかお酒とおつまみの香りのミックス)」などの描写を見ると、気軽に入る喫茶店としてはほとんど利用してないですけど、「そんなイメージあるかも」とうなずいてしまいます。

「クリームは抜いて下さいオンナ」と「俺のキックボードが……オトコ」、書き下ろしの方では、「ダンガリーカップル」の話がお気に入りです。

また、トイレの個室から人違いで話しかけられて、無視してトイレから出たものの、なんとなく顔を合わせたくないがために、そのまま店を後にしてしまった話も。きっと、同じような行動を取ってしまうかも、と思いました。

あと、修学旅行の自由行動の際に、はじめてルノアールに入ったときの話が印象的でした。初めて入店したときに感じた「オトナの仲間入り!?」といった記憶が蘇ってきました。


新宿駅最後の小さなお店ベルク その3

本は読んだものの……、実は、肝心な「ベルク」の店に行ったことが一度もありませんでした。新宿駅は特に大学生のときから、頻繁に乗り降りするようになって、今まで、あのベルクのある通りを何百回、通ったか数知れないのですが……。

個人店舗だったということも知らず、「よくあるチェーン店のひとつだろう」「メニュー品もよくある店のイメージどおりのよくある味だろう」と、スルーしてしまっていました……。

でも、本書での食材や接客へのさまざまな“こだわり”を知るにつれ、どうしても行きたくなって、しかも、朝昼夜とそれぞれの店の姿を見たいと思い、「朝ベルク」「昼ベルク」、そして「夜ベルク」と連続で通ってみました。

つづく


『新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?(P-Vine BOOks)』

(井野朋也:ベルク店長/ブルース・インターアクションズ)

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新宿駅最後の小さなお店ベルク その2

「うちのような無名の個人店がまわりの大手チェーン店と張り合うには、結局、飲食店としてのまっとうなサービス(早い、安い、うまい)を極めるしかありませんでした」

と同時に、

「早い、安い、うまいだけではなく、ベルクはこだわり自慢のお店と思われる方も多いようです」

とはじめの項で言うとおり、コーヒーはもちろん、パンやウインナー、ワイン、ビールといった素材選び、商品開発、お店の見せ方、そして接客に対して行ってきたこと、“こだわり”が随所に綴られています。

本書で書かれている、店長がスタッフと話し合って導き出された「理想の飲食店」の例が、「うんうん」と納得できます。

数点あるんですが、特に、

・食べたいときに食べたいものが食べられる
・しかもちょうどいい値段で。ばつぐんの美味しさで
・お店の人もちょうどいい感じがいい。つかずはなれず何気に気にしてほしい
・一人でも入れて、人も連れて行けて、その人がとても気に入ってくれるような店

といった要素がある店はうれしいですね。

また、「私たち自身がしょっちゅうベルクを利用します」と書かれていますが、これはけっこう重要な要素だと思います。

つづく


『新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?(P-Vine BOOks)』

(井野朋也:ベルク店長/ブルース・インターアクションズ)

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新宿駅最後の小さなお店ベルク その1


『新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?(P-Vine BOOks)』

(井野朋也:ベルク店長/ブルース・インターアクションズ)

『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』の巻末付録「全国カリスマ書店員9名が語る! 私の思い入れのある1冊」で、有隣堂ヨドバシAKIBA店の門脇順子氏が紹介していた本。


『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』

(神田 昌典/ダイヤモンド社)

去年、この『ビジネス書100』を買った時期に、このベルクの本も買っていたんですが、ツンドクになっていました。

この門脇さんの紹介文で、「当時新宿店にいたころ、行きつけだったお店」というのに、興味を惹かれました。

最近、各書店の目立つところに置かれてます。

本書は、JR新宿駅東口改札から、徒歩15秒のところにあるセルフサービスのビア&カフェ「ベルク」の店長による著書。個人店としての「ベルク」が、飲食店がひしめきあう一大ターミナルの新宿駅で、いかにして生き残ってきたか、その歴史から、接客、サービスに対する考え方、魅力についてまでが記されています。

つづく

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火天の城


『火天の城(文春文庫)』
(山本 兼一/文藝春秋)

『火天(かてん)の城』。織田信長より安土城築城を命じられた大工の総棟梁、岡部又右衛門父子の半生が描かれた作品。2009年9月には同書を原作に、西田敏行主演で映画上映されます。

つくり手側から描かれた視点が、安土城築城を違った角度から見れて楽しかったです。

城の中では、スケールの大きさから大坂城(大阪城)が一番好きですが、豪壮華麗という意味ででは安土城が好きです。天下布武の目指した織田信長の世界観が具現化された階層ごとに異なる外観や、金、群青色、朱色、黒うるしといった採用されている鮮やかな色彩が見るもののココロをそそります。

完成からわずか3年で、天主が焼失してしまったこの安土城を、当時の人々がどのような思いで仰ぎ見ていたのか、想像をめぐらすのも楽しいです。

また、安土城の外観や内層の復元解釈は、それぞれあるんですが、その中の、「吹き抜け」構造だったという説に惹かれます。この『火天の城』では、吹き抜け構造を支持する子・岡部又兵衛以俊と、それを否定する父・岡部又右衛門以言が対決していきます。最終的に採用されたのは……。


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