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書籍『官僚に学ぶ仕事術』
- 2011年5月31日 08:46
- 本モノ
毎日コミュニケーションズ(マイコミ新書)の『官僚に学ぶ仕事術』。著者は現役の官僚で内閣府参事官補佐を務める久保田崇さん(@takashi_kubota)。
久保田さんの経歴を見ると、京都大学に入学、国家公務員採用I種試験(法律職)に合格して、2001年から内閣府の勤務をスタート。その間、英国に留学し、ケンブリッジ大学にて経営学修士号(MBA)を取得、そして今に至ります。自分の目指した道を進むために、人生を「サボって」いない感じです。
本書は、官僚の激務の中で培ってきた効率的に業務をこなすための仕事術をはじめ、人脈術、交渉術、読書術、また、留学を通じて学んだ英語術、コミュニケーション術が記載されています。
国会答弁や法案の作り方やプロセスも書かれた第1章の実際の仕事の様子は、よくわかってなかったこともあったのでとても興味深かったです。そしてその仕事量の多さにびっくりしました。
新人時代の資料をコピーして関係者に配布とか局内の意見を集約とか、国会答弁におけるそもそものスケジュール、各省庁への折衝、交渉など、もしかしたら本人もムダな作業もあると感じているかもしれませんが、それは通常の企業にも多かれ少なかれ存在するものだと思います。
そこで、そういった作業をこなすのに、本書で特に参考となったのが、「現代の仕事の多くに求められるのは、質より量、特にスピードではないでしょうか」といったところ。もちろん「一定のレベルを満たしていること」がただし書きにありますが。
また、「インプットにハマりすぎずに、アウトプットを意識しながら厳選して頭に刻み込んでいった方が、効率がよい」といったところも。
ついすべての作業に対して、質を求めがちになってスピードが落ちてしまうのが今までずっと続いてきた悩みですが、スピードをもってこなすことによって、たとえ最初は失敗することがあっても経験値が増えていって、結果、質も備わってくるのではないか、と最近思うようになりました。
仕事術のほかに、本書で個人的にいいなと思ったのが、「人脈は大事だ」と謳っていながらも、一方で“孤独”、1人の時間も大事にしているところ。午前と午後の気分転換タイムとして「ランチタイムは約束がない日は1人で読書をしながら食事を取るのが至高のひととき」というのはすごく共感できます。また、おすすめの健康法がスポーツジムでなくて「歩く」ということも。自分もよく電車を使わずに歩くことがあったりするので。
また、プライベートで「課外活動」をするときに、「本業をしっかりやった上で課外活動をしていれば、逆に応援団も増える」といった内容もとても参考になりました。
そして、本書のいいところは奇抜なテクニック紹介ではなく、「人と会う前には十分に予習をする」「プレゼン前にはストップウォッチを片手に何度も練習」など「やっておいた方がいいな」と思うことを当たり前のようにやる姿勢を紹介しているところだと思います。
※特典ファイルが付いてくる! アマゾンキャンペーン用書籍紹介サイトはこちら。応募期間は5月31日(火)23:59まで
書籍『個人事業、フリーランス、副業サラリーマンのための「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』
- 2011年2月17日 08:38
- 本モノ
ダイヤモンド社の『個人事業、フリーランス、副業サラリーマンのための「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』(2月11日発売)。
本書についてはこちらもチェック。
●“ぶっちゃけ税理士”が確定申告の「ソン・トク」をズバリ! 知らないとソンする「合法的な裏技」とは?(エキサイトコネタニュース)
URL:http://www.excite.co.jp/News/bit/E1297745385434.html
著者は岩松正記(まさき)氏。本書はタイトル通り、「個人のまま仕事をしたほうがいいのか? 自分で会社をつくったほうがいいのか?」と迷っている個人事業やフリーランスの人から、副業をしている or 考えている会社員に向けて、税金に関するソン・トクの本音をぶっちゃけたもの。
本書を読むと、本当に“ぶっちゃけ”ている。ただ、ぶっちゃけているといっても、面白おかしいだけではなく、基礎から、具体的に実践で使えるノウハウまでがきちんと丁寧に網羅されています。会話形式とイラスト解説がより読みやすくしていて、一気に読めるのですが、内容がたっぷり詰まっているので、読み終わるのにいい意味で時間がかかりました。
「所得税の計算」や、「住民税」には「所得割」と「均等割」があることや、「副業の所得が年20万円を超えなければ、『確定申告』しなくていい」の、「20万円というのは必要経費をマイナスした分」など、初歩的なところで知らないことがけっこうありました。
また、
「会社をつくれば、設立から2期消費税を払わなくていい」
「会社の赤字を7年間繰り越して、法人税を節税する」
「資本金1円で会社はつくれる」はホントにメリットなの?」
「法人税率決算期の決め方の目安・ポイント」
「自宅兼作業場にしている場合、家賃や光熱費などの経費率はどのくらいか」
などなど実際に設立で役に立つポイントも。
さらに、「これこれこういう理由で仕事には必要なんです!」と「自信を持ってストーリーをつくれば経費になることも!?」あるという話や、「確定申告の提出が間に合わなければ、期限内に名前だけ書いて出して、その後『修正申告』をする」「最後に提出した確定申告書が有効」「副業分の住民税を直接自分で納税するやり方」は目からウロコでした。
また、「BCG判定」なる27の判断基準項目が役に立ちます。本書の「はじめに」で
「BCG判定」とは、ある事例の税務判断について、「これはマズいよ〜」というのを「B」すなわち「ブラック」、「これは全然大丈夫!」というのを「C」すなわち「クリア」、そして「どっちとも言えない。判断に苦しむ!」というのを「G」すなわち「グレー」の3つに明解に分けて判断を下していきます。
と述べられています。
ところで、本書で感動したのは、この後の文言、
判断も、そんじょそこらにあるような通りいっぺんのモノではなく、「ぶっちゃけ、どうなのよ!?」といった、本音のところを述べていきます。そうでなければ本書の価値はない。私はそう思ってこの本を思い切って書きました。
と書かれているところです。
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