- 2006年2月27日 23:59
- 絵本
『Come Away from the Water Shirley』(John Burningham/Red Fox)
この本のオープニングの解説によると
People like to do different things at the beach. Pictured on the left-hand pages of this book, Shirley’s mother and father keep watch from their fortress of deckchairs, with frequent words of advice and caution.
わたしたちは、海辺に出かけて様ざまなすごしかたをしますが、この絵本ではどうでしょう。左のページで、シャーリーの両親がデッキチェアに陣どって、シャーリーにむかって注意のことばをくどくどと投げかけています。
Meanwhile, Shirley plunges into daring exploits on the pages opposite.
いっぽう、シャーリーは、右のページで大胆な冒険の世界へと入りこんでいきます。
Here you too can sail with Shirley to a world of pirates with swords between their teeth, creating your own tale of buried treasure and high sea adventure.
わたしたちも、シャーリーといっしょに、剣を振う海賊に挑戦し、埋もれた宝物を捜す海洋冒険の物語を自由に創り上げていくことができるのです。
と、日本語版ではさらに次のコトバが続きます。
この絵本は、おとなの現実的な日常の世界と子どもののびやかな想像の世界を鮮やかに対比させることで、今までにない新しい形式、新しい内容を獲得しています。
Mさんいわく、この本の解釈のひとつとして、同じものを見ていても、それぞれが違うふうに感じ、それぞれが違う現実を生きている、ということです。それは、どんなに仲のいい人でも、たとえ血の繋がっている身内だとしても。
身内でもやっぱりそうですよね。性格形成で環境というのが大きな要素を占めることは間違いないとは思うんですけど、それとは別に生まれながらの性格といったものも確実に存在していて、考えが違っていたりすることもあります。
これを普段からココロにとめておけば、もうちっと人のことが理解できたり、タイプの違う人に対しても一喜一憂せずに心構えができるのではといったものです、と最終的なMさんの解釈と違うかもしれませんがそんな感じです。
また、「知っている」と思っていた仲のいい人で、けっこう違うことを考えて驚くことがあったりもするんですけど、「違う現実を生きている」と思えば、「そういうことも考えていたんだな」と受け入れられるというものです。
それでも同じ感性とかをもっていたら嬉しいですけどね。
「ひとはみな、違う現実を生きている」
とても貴重なコトバをMさんに教えてもらいました。年々、自分の中で重みを増してきているコトバのひとつです。
- 新しい: ひとはみな、違う現実を生きている
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コメント:2
- aopu 2006年2月28日
こんばんは☆
私もそれに近いことを考えてました。
人それぞれ、生まれてから今まで生きてきた経験から、
現実そのものを「ありのまま」に見るというより、
それらの経験からきたある種の”色眼鏡”っぽいもの、
無意識のうちに「こうなっているはずだ」と思い込んでいる
”フィルター”のようなものを通して、
物事を「見て」いる気がするのです。
それが、人によって「違う現実を生きる」ということなのかなぁ、と。
その色眼鏡をはずすのって、
実はとってもとっても、勇気が要ることだったりするんですけどね。。。- dsk 2006年2月28日
aopu さん、こんばんは!
その「色眼鏡をはずす」っていうのが本当に勇気が要るし、難しいことですよね~。
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