- 2006年6月3日 23:59
- 参考本
ところで、タイトルの「衝動買い2 その2」とかこんがらがってわかりにくいですね。どうでもいいですが……。
……下落し続けるハードウェア価格、リナックス(Linux)に代表されるオープンソース・ソフトウェア登場によるソフトウェア無料化、ブロードバンド普及による回線コストの大幅下落、検索エンジンのような無償サービスの充実……「次の10年」はITに関する「必要十分」な機能のすべてを、誰もがほとんどコストを意識することなく手に入れる時代になる。
これがこの本で説明する「チープ革命(Cheap Revolution)」です。本書は、その結果、何が起こるのか、そしてこの革命の主役のひとつであるグーグル(Google)について、「アドセンス」の概念、「ロングテール」現象、「Web 2.0」への変貌、「自動秩序形成システム」の可能性など興味深い話題を提供してくれました。
また、この本には私が疑問に思っていたことに触れられています。それは、「オープンソース」の存在です。「オープンソース」とはこの本の表現を借りれば、
「あるソフトウェアのソースコード(人が記述したプログラムそのもの)をネット上に無償で公開し、世界中の不特定多数の開発者が、自由にそのソフトウェア開発に参加できるようにし、大規模ソフトウェアを開発する方式のことである」
となります。オープンソースの例として、百科事典の「Wikipedia」も挙げられて今したが、どうしてこの現象が生まれたのか、ずっと気になっていたんですよね。
そして、ネット世界で進んでいる変革を「こちら側」と「あちら側」と見立てて説明しているところがわかりやすかったですね。
ネットの「こちら側」とは、インターネットの利用者、つまり私たち一人一人に密着したフィジカルな世界である。携帯電話、カーナビ、コンビニのPOS端末、高機能ATM、デジタル三種の神器、無線ICタグ。
一方、ネットの「あちら側」とは、インターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とも言うべきバーチャルな世界である。いったんその巨大設備たる情報発電所に付加価値創造のシステムを作りこめば、ネットを介して、均質なサービスをグローバルに提供できる。
あちら側というのは、グーグルなどが“無償”で提供しているメールサービス、アマゾンやブログのサービスのことです。
で、「あちら側」にシフトさせつつあるグーグルはなぜ“無償”で提供しているのか? 何を目的とするのか? どんなビジネスを生み出しているのかについて触れられています。
とまあけっこう読みごたえがあったんですけど、何よりもよかったなぁと思ったのは、この流れを「オプティミズム(楽観主義)」でとらえているところなんですよね。
- 新しい: ベストセラー本衝動買い2 その3
- 古い: ベストセラー本衝動買い2 その1
コメント:0
トラックバック:0
- この記事のトラックバック URL
- http://dskiwt.net/blog/archives/274/trackback
- トラックバックの送信元リスト
- ベストセラー本衝動買い2 その2 - dskiwt.net より