- 2008年12月28日 23:59
- 本その他
『告白』(湊 かなえ/双葉社)
前にokuさんに存在を教えてもらったんですが、そのときは知りませんでした。でも、その後、本屋で平積みになっているのを発見したり、メディアで紹介されていたりと、何かと目に付くようになったこの本。
中学の終業式後のホームルームで、わが子をとある“事故”で亡くした女性教師が、
「娘は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのです」
と「告白」する形で物語は展開していきます。
この「告白」の第一章「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し、本作は、第六章まで加筆した形で刊行されたもののようです。本作がデビュー作というのが驚きです。
この第一章がもともとひとつの作品であるためか、この章が一番、読み応えがあったというか、衝撃を受けました。
二章から先は、一章で登場した人々、同級生から、加害者、その家族までがそれぞれ主人公となり、それぞれの目線で語っていきます。
この第一章では、女性教師が独白形式で、ひたすら語っていくのですが、その様が、ある種の“狂気”を感じさせ、目が離せなくなります。改行があるべきところでも、改行がないといった文体の違和感で、それを感じさせてくれます。
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