- 2009年1月4日 23:59
- 本その他
『水の城―いまだ落城せず(祥伝社文庫)』(風野 真知雄/祥伝社)
『のぼうの城』と同じく、石田三成による忍城の水攻めが描かれています。こちらの方が先の作品。
こちらの成田長親も「これといって際立つところのない」キャラクターではありますが、丹波の目を通して語られていた『のぼうの城』より主体的に描かれています。自分に武勇の能力が足りないとわかっている長親は、町人や百姓たちの知恵を借りたりしながら、立ち向かっていきます。
また、水攻めで稲穂を水浸しにされてしまったことによる百姓たちの怒りの感情によって、一致団結していく姿も描かれていて、『のぼうの城』がキャラクターを生かした作品であったのに対して、こちらは忍城攻防戦そのものや、領民たちの心理がより細やかに描かれています。
あと、『のぼうの城』との違いとしては、好きな大谷吉継のみならず、真田昌幸・幸村も登場します。
他、成田氏当主の氏長の娘・甲斐姫の描かれ方の違いなんかも、『のぼうの城』と読み比べると楽しいです。
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