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砂の城

再び一条ゆかり作『砂の城』。


『砂の城(1)(集英社文庫―コミック版)』
(一条 ゆかり/集英社)

主人公・ナタリーが思いのほか、ココロの成長が見られず、イライラ!? してくるんですが、文庫で4巻、一気に読んでしまいました。

そう思わせてしまう心情については、一条ゆかり氏の「あとがき」の中に反映されています。

「それまで一条の書く女って、鬼のようにプライドが高くって、強くって、すぐ開き直る女ばっかりで、そういう女が一番描きやすかったんだ。潔い女が好きで、描いてて、気持ちいいの、そういう女って」

『デザイナー』なんて、まさにそうです。

「でもさ、プロなんだから色んなタイプの女描けなきゃまずいし、よおし、こうなったら一番嫌いなウジウジした、もうしょうがないくらいオンナオンナしたヤツ描いてみるかあって覚悟決めたわけだ」

と続きます。

また、同じく「あとがき」には、ナタリーの性格をこのように解析しています。

「一条の決めたナタリーの性格は、お金持ちのお嬢様特有の育ちの良さとわがままさ、何度やっても懲りない甘さ、向上心は有るけど土壇場勝負になったらどうしても開き直れない弱さ、この弱さとしつこさが彼女の性格のキーポイントなんだな」

そんなナタリーに対するウジウジ感は、タイトルにもなっているナタリーのセリフにも象徴されています。

 「人生なんて砂の城のようなものかもしれないわ。つくっても、つくっても、いつの間にか波がさらってしまう。いつも同じ事のくりかえし。誰もが……そうして年をとっていくのかしら」

でも、夢中になってしまう、それが一条ゆかり作品。


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