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ホルモー六景 その1


『ホルモー六景』
(万城目 学/角川書店)

『鴨川ホルモー』の続編、というよりは、「ホルモー」に関わる人物を主人公とした6編からなるオムニバス作品。

作品によっては、前作と時系列が重なっていたりして、前作と続けて読むと、楽しさが倍増します。さらに、この6編の中でも、話がつながっているものもあり、からみあっています。

第一景「二人静」は、京産大玄武組の最強メンバー、定子と彰子の友情と恋をめぐる話。お互い彼氏ができず、クリスマスも一緒に過ごしていた仲良き二人が、定子が恋することにより、友情に亀裂が入ります。

定子が一条の前で、オニ語を発するところは、せつなく笑えます。

男に対して注文の多い定子の嫌いな男の定義が面白いです。

「例えば定子はすぐに駅まで送ろうと言ってくる男が嫌いだった。(中略)例えば定子は初対面で『さっちゃん』などと気安くファーストネームを呼んでくる男が嫌いだった……」

つづく


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