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外国映画のアーカイブ

チェ 28歳の革命

革命家チェ・ゲバラの半生を2部作に渡って描いた映画がこの1月に連続公開。まず10日に封切された第1作『チェ 28歳の革命』(原題:Che Part One)を観にいってきました。

監督は、スティーブン・ソダーバーグ。ゲバラを演じるのはベニチオ・デル・トロ。ベニチオ・デル・トロはこの作品で、08年度カンヌ国際映画祭の主演男優賞を受賞しています。

この第1作では、フィデル・カストロとの出会いから、キューバの革命に参加し、バティスタ独裁政権を打倒していくまでが描かれています。また、物語の合間に、キューバ革命後にあたる1964年のニューヨークでの国連総会の演説シーンがモノクロ映像ではさみ込まれています。

正直、知識がほとんどなかったんですが、公式サイトのストーリーに書かれている、

「アルゼンチン人で医師だった彼は、何故、キューバに革命をもたらし、20世紀最大のカリスマとなったのか」

というのが、まさにギモンで、その答えを映画で知ろうと、観にいきました。そして、ベニチオ・デル・トロのフェロモンっぷりも気になるところで。

でも、この作品に対する姿勢が違っていたというか。そういった理由に対する明確な答えや、強烈なカリスマ性を発揮するシーンなどは描かれず、淡々と、(おそらく)ありのままの姿が描かれていて、人との会話なんかでちょっとずつゲバラの人となりを感じ取っていく、そんな作品でした。


ブーリン家の姉妹

イエから5分の吉祥寺・バウスシアターに観にいってきました。

映画『ブーリン家の姉妹』(原題:The Other Boleyn Girl)。原作は英国の作家・フィリッパ・グレゴリーの同名小説。


『ブーリン家の姉妹 上』
(著:フィリッパ・グレゴリー 翻訳:加藤 洋子/集英社)


『ブーリン家の姉妹 下』
(著:フィリッパ・グレゴリー 翻訳:加藤 洋子/ 集英社)

監督はジャスティン・チャドウィック、脚本は『クィーン』『ラストキング・オブ・スコットランド』のピーター・モーガンが手がけています。

16世紀の英国を舞台に、ヘンリー8世(エリック・バナ)の寵愛をめぐって、後にエリザベス1世の母となるアン・ブーリン(ナタリー・ポートマン)&その妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)の愛憎劇が描かれた映画。

この時代の英国史に興味があるのと、(何より)スカーレット・ヨハンソン好きなので……観てきました。

キャサリン王妃と離婚するため、ローマカトリック教会から離脱して英国国教会を設立、また、英国の黄金時代を築くことになるエリザベス1世誕生と、英国における最大の変化のきっかけの時期を扱ったものなので、歴史が好きな人にもオススメです。とはいってもタイトル通り、アンとメアリーが中心なので、これら歴史についてはそんなスポットをあててないです。

ところで、ブーリン家の長男・ジョージ(ジム・スタージェス)が一番せつなかったようにも思えます。

これを観た後、“その後”が描かれたケイト・ブランシェット主演の『エリザベス』を今一度観たくなりました。


インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

『ダイ・ハード』、『ロッキー』、『ランボー』はもはやDVDでよくても、これだけはたとえつまらなくても観にいかなくては、ジョン・ウィリアムズのあのテーマ曲を劇場で聴かなくては……ということで行ってきた『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(原題:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)。

どこで観ようか考えたんですけど、たまには空いてるオールナイト上映で近場の映画館にしようと吉祥寺東亜興行チェーンで観てきました。時間は1:10から。公開から1カ月経っているのと深夜の上映なので、観客は15人ほど! 真ん中に陣取って鑑賞しました。

本作は前作から19年ぶりの新作となるハリソン・フォードのインディ・ジョーンズシリーズ第4弾。本作品の時代設定は1957年で、前作『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』の時代設定は1938年なので、 ストーリー上でも19年後の設定となっています。

アクションシーンはテーマパークのまさにアトラクションでした。断崖絶壁のカーチェイスシーンはなんかアトラクションに参加している感覚でした。

あと、今回、実は楽しみにしていたのはケイト・ブランシェット。敵役のソビエト将校、イリーナ・スパルコを演じています。彼女の存在感は素敵でした。

インディの教授としての講義シーンが好きで、それを観れたし、音楽も聴けたし、「シリーズ映画は前作を超えたものでなければならない」といった発展形ということを考えずに、一シリーズものとして観ると楽しめる作品です。


プライドと偏見

『つぐない』を観にいった後に、どうしても気になったので、『プライドと偏見』をDVDで見返してみました。ジョー・ライト監督とキーラ・ナイトレイが組んだ最初の作品。個人的には『つぐない』より、こっちの作品の方が好きです。それは、原作がジェーン・オースティンということもありますが。

いや、それにしても、この当時のエリザベス・ベネット役キーラ・ナイトレイは光り輝いていました。まだ今も全然若いですが……。愛想笑いでさえチャーミングです。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(パート1)や『ラブ・アクチュアリー』からこのくらいまでが一番いいですね。

ダーシー役のマシュー・マクファディンはよかったんですが、無骨ぶりばかりが目立って、もっと高慢ぶりも見せてほしかったところはあります。また、父親を演じているドナルド・サザーランドと母親のブレンダ・ブレッシンの演技は素晴らしかったと思いますが、性格がちょっとつかみきれなかったような気がします。

DVDには特典としてアメリカ版のエンディングが収録されていますが、日本公開のエンディングの方が個人的には好きでした。

それにしても、映画でダーシーの邸宅として扱われていたチャッツワース邸のまわりの景観はすごかった。


つぐない

新宿テアトルタイムズスクエアに映画『つぐない』(原題:Atonement)を観にいってきました。

原作はイギリスの小説家、イアン・マキューアンの『贖罪』。『プライドと偏見』のジョー・ライト監督とキーラ・ナイトレイが再びコンビを組んだ作品。同作品はゴールデングローブ賞最優秀作品賞(ドラマ部門)と英国アカデミー賞作品賞を受賞しています。アカデミー賞では作曲賞を受賞。

セシーリア(キーラ・ナイトレイ)の妹ブライオニー(シアーシャ・ローナン・13歳)がついた一つの嘘と、それに対する「つぐない」が綴られています。

時間も気にせず食い入って観てしまい、いい映画だと思うんですが、結論から言うと、ラストの展開が自分的には納得できないところがありました。

この映画で一番気になったのはブライオニーの役を演じた人々。時代に分けて3人が演じているのですが、少女時代のシアーシャ・ローナンがなんともよかったです。子どものもつ純粋性と残酷性が見事に反映されていて、彼女なら仕様がないか、嘘が許されるかなとちらっと思わせてしまいます(許されませんが……)。
でも、次の18歳のブライオニー、ロモーラ・ガライになったときに、なんかさめてしまったんですよね。ロモーラ・ガライ本人がいい悪いではなく、シアーシャ・ローナンで強烈にブライオニー像が形作られてしまっていて、ロモーラ・ガライはシアーシャ・ローナンの透明な部分は受け継がずに、憎らしい部分だけが目立って感じられ、ブライオニーの罪の意識にさいなまれる感じが伝わってこなかったんです……(超個人的視点)。

ロモーラ・ガライは『タロットカード殺人事件』でヨハンソンの友人役で出ていましたね。

でも晩年のブライオニー役のヴァネッサ・レッドグレーヴは素晴らしかった。あの青い眼もシアーシャ・ローナンと重なってとても感情移入できました。

この映画では、時間軸をずらしたり、同じ場面がセシーリア視点、ブライオニー視点で描かれたりするのですが、ああいうのってけっこうニガテです。

そもそもジョー・ライト監督キーラ・ナイトレイをブライオニー役として考えていたみたいなんですが、個人的にはそっちを観たかった気もします。


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